建退共制度のしくみ
◎制度の特徴
- 国が運営する制度なので安心・有利です
- 建設産業全体が適用対象です(現場・事業所を問いません)
- 掛金は事業主が負担します(労働者の負担はありません)
- 共済手帳に証紙の貼付を受けることで掛金を積み立てていきます(1日310円の掛金)
- 事業主が制度に加入することが必要です
- 1日310円の掛金。新加入者には国から50日分(15,500円)の補助があります
- 退職金をもらうためには、共済手帳に証紙が24ヵ月(504枚)以上貼ってあることが必要です
建退共とは、建設業で働く人達のために国によって設立された退職金制度です。
他の産業で働く労働者の場合、その多くは同じ事業所で継続して働いており、退職金もその事業所ごと支給を受けていますが、建設業で働く人達は現場や事業所を頻繁にかえながら働いていることが多いため、事業所ごとの退職金の支給対象とはなりにくいという面があります。
このため建退共では、事業所ごとではなく、建設産業全てが制度の対象となっており、事業主が共済手帳に証紙を貼付することをもって掛金を積み立てていきます。
したがって、労働者は共済手帳の交付を受けていれば、いつ・どこの現場・事業所で働いても、事業主や元請(公共工事の場合)に証紙の貼付を求めることにより、働いた日数に応じた掛金をきちんと加算して、退職時には『建設産業で働いた期間』をまとめて退職金の支給対象とすることができます。
適用対象期間(働いた日数)が長いほど退職金額の計算には有利になりますので、労働者は積み立てた掛金(証紙枚数)に対して大きな給付を受けられることとなります。労働者が退職金を請求する際には、それまでに共済手帳に貼られた証紙の総数にもとづいて建退共本部から直接労働者に退職金が支払われます。
しかし、労働者が共済手帳の交付や証紙の貼付を受けるためには、事業所(雇用主)が制度に加入することが必要です。
このため、全建総連や各建設業団体は、建設会社や事業主に対して建退共制度への加入を求める取り組みを行っています。
建設現場で働く全ての労働者に適用されます
一人親方の皆さんも、『任意組合』に加入することにより共済手帳の交付を受けることができます。(制度上、一人親方や労働者が個人で共済手帳の申請や証紙の購入はできないからです)
そして、一人親方として働いた場合は、その日数に応じて証紙代金を自分で負担して、任意組合から共済手帳に証紙を貼ってもらいます。もちろん、事業主から雇われて働いた場合は、労働者としてその事業主から証紙を貼ってもらいます。
一人親方として働いた分については自分で掛金を積み立てていく形式となりますが、建退共の運用利回りは他の制度と比べてかなり有利(2.7%)となっていますので、支払った掛金から考えると多くの給付(退職金)を受け取ることができます。
事務組合を使うと便利
この制度に必要な事務手続きについては、事務組合が代わって行うことができるようになっています。
対象となる労働者
- 建設業の現場で働く方。(ただし、中退共・清退共・林退共の加入者並びに事業主は加入できません。)
- 一人親方の方は任意組合を通しての加入になります。(元請等、関係会社からの申請も可。)
建設土木(基礎工事) | 建築大工 | 型枠大工 |
---|---|---|
左官 | とび | 石工 |
屋根葺工 | 瓦工 | 電気工(通信関係含む) |
タイル張工 | 鉄筋工 | 鉄鋼 |
鉄工 | 建築板金工 | ガラス工 |
塗装(防水) | 室内装飾 | 床張工 |
造園 | 植木 | 建具 |
家具工 | 木工 | 給排水配管工(サク井) |
空調(消防・冷暖設備) | 家洗工 | 畳工 |
看板 | ブロック | レンガ積工 |
表具工 | 経師 | ラス張り |
サッシ工 | 木舞 | ハツリエ |
ガス吹工 | 溶接工 | 製材工 |
壁下地工 | のこの目地 | 軽作業工(人夫) |
建築管理 | 工務店事務 | 機械運転工 |
建築請負業 | 家屋解体工 |